おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
毎週日曜日は1週間を振り返ってのブログを書いているので、今日はその回です。
今週のリサーチ(2/26~3/4)
web3 Research
寄稿記事
どれも面白い記事になっていますので、ご興味ある内容がある方はぜひ!
また、今週からTwitterでもニュース解説を始めているので、ぜひそちらもご覧ください〜。(発信コンテンツが多すぎて読めないとも言われてるので、週1くらいに1週間の発信の要約記事みたいなのも作っていこうと思ってます)
以上、今週もありがとうございます!!
AIすごい
さて、ここからは普段感じていることを書きます。
まず最近のブームは間違いなくAIですね。生成系AIと呼ばれる、MidjouneyなどのアートAIやChatGPTなどのテキスト生成AIです。
web3が担っていた次世代の期待をAIに全て持っていかれた感があります。僕はテレビとか見ないので、世間の温度がどうなってるかわかりませんが、メディアの記事を見てる感じ、一般層に対してもAIは普及を始めている気もします。Notion AIとかね。
AIが普及している理由は1つで、「シンプルに便利だから」に尽きます。
昨日のブログでも書きましたが、ユーザーは今より楽で便利なものを使います。web3はまだそこを超えれてなくて、AIは飛び越えました。Notion AI僕も使ってますが、破壊的に便利です。Midjouneyも同様です。
僕は元々3年くらい前に会社を作って、最初の2年くらいはwebサービスを作ってました。SNS作ったり、ツール作ったり、ザ・スタートアップのムーブをしていました。
この”ユーザー目線”はその際に嫌と言うほど痛感しました。
ワクワクした構想はユーザーの前には無価値で、著名人の意見を参考にしたアイディアをプロダクトに落とし込んだところで使ってもらうことはできません。
そして、”ユーザーは今より楽で便利なものを使う”と書きましたが、厳密にいえば、既存の何かからのスイッチングコストが発生するので、こうなります。
「人がサービスを使う = スイッチングコスト(今のサービスから変更するコスト) < そのサービスから得られる便益」
想像より人の行動変容を促すのは大変で、スイッチングコストは激高です。それを飛び越える便益を考えたり、PayPayのようにお金をばら撒いたり、ガンガンCMを打ちまくったりしてようやく人の行動は変化します。
B=MAT
人が行動を起こす条件をより具体的に方程式に落とし込んだものがこちらです。これは「フォッグの消費者行動モデル」と呼ばれ、「B=MAT」と表現されます。
「行動(Behavior)」には、「動機(Motivation)」と「実行能力(Ability)」があるタイミングで、「きっかけ(Trigger)」が訪れなければならないと言う意味です。
AIの利用は、、
動機:なんかすごいらしい、便利になるらしい、○○の業務削減できるかな、、
能力:Notionで打つだけ、Discordで打つだけ(普段使ってるツールでもある)
きっかけ:Notionに機能実装された、周りからおすすめされた、Twitterで流行ってる
が重なり、行動に至ってます。
一方で我らがweb3は、、
動機:すごいらしい、でも怪しいし危なそう、、何に使えるの?
能力:ウォレット?なんかすごい英語ばかり、、
きっかけ:話題にはなるけど、、
となってしまっている気がしますね。
こうやって分析すると「マスアダプションにウォレットが鍵である」ことはより説得力を持たせることができます。動機がありきっかけがあっても、”能力”がないと人は行動しないので、そこのハードルは極限まで下げる必要があります。
web3飽きた?
そんな状況も相まって、ややweb3の熱が冷めてきている気もしてます。
スタートアップの鉄則は”モメンタム(熱量)を失わないこと”だと言われています。
人の熱狂って1年くらいが限界だから、創業ボーナスでモチベーションが続くのはそれくらいで、そこからはちゃんと成長していることをが熱量に繋がる。なので、スモールウィンを積み重ねたり、リズムよく頑張り続けて、常にモメンタムを保ち続けることが大切だよって話です。
なので、web3が熱狂から1年ほど経ち、想像よりも急速に普及することはなく、暗号資産も値下げしてるから、シンプルに業界としてのモメンタムが終了したのだと思います。
(これはY-Combinator(YC)の教えでもありますが、奇しくもOpenAIの創業者でもあるSam AltmanがYCの代表をやってる時の写真が出てきました)
僕個人としてはテクノロジーは好きなので、AIはすごいなと思いつつも、web3に対しての熱が冷めることはありません。正直、周りが盛り上がってたので勉強し始めた側面はありますが、周りが盛り上がってたので勉強し続けているわけではないので、知れば知るほどその可能性に惹かれていきますし、面白さしかない業界です。
もちろんリサーチャーという職業柄、業界が盛り上がった方が自分にとってもメリットはありますが、そのうちまた盛り上がるだろうと思っているので、特に焦りはありませんし、次盛り上がった時は今のAIのようなマスアダプションし始める時だと思うので、個人的にはそこへ向けて力を溜めていきたいと思っています。
特に結論があるブログではありませんが、最近のAIブームと若干収まり気味のweb3ブームについて改めて考えてみました。
また来週も引き続きリサーチしていきます!
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