おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「相互運用性」について、最近感じることについて書いてみます。
相互運用性 vs 自前のエコシステム
ブロックチェーンの相互運用性は魅力的ですが、あくまで"他でも使える"だけで、"最適なUX"ではないことを注意する必要があります。
例えば、楽天カードは別に楽天経済圏以外でも使えます(相互運用性がある)。楽天以外のECサイトで購入して、楽天以外の証券会社で投資信託を買っても、一定の楽天ポイントは獲得できます。
でも、楽天市場と楽天証券を使った方が、1つのアプリで確認できたり、たくさんの楽天ポイントが貯まり、便利になります。 つまり、楽天カードは相互運用性はある(他でも使える)けど、自前の楽天経済圏だけで利用した方が"最適なUX"となります。
そしてこれはweb3の世界でも同じことが起きると思っています。確かにNFTやFTは相互運用性があります。 ただ、それはあくまで"使えるだけ"です。
例えば、STEPNを運営するFind Satoshi Labs(FSL)はSTEPNで獲得できる独自トークン"GST"を、FSLが作ったNFTマーケットプレイスやGameFiで利用できるようにしています。Yuga LabsのApecoinもYuga関連のプロジェクトで利用できます。
別にGSTもApecoinも他のプロトコルでも利用できるけど、他のプレイヤーには正直それらを利用するプロトコルを作るメリットがありません。結果、トークン発行元が自前のエコシステム強化のために自分たちでトークンの活用先のプロダクトを作っていきます。
ブロックチェーン自体もアプリ特化や領域特化のチェーンが出てきているように、"使える"と"最適"には雲泥の差があります。
そう考えると、実は現在のWeb2における自前の経済圏競争とあまり変わらない?とも思ったりします。 相互運用性の実現によって、ポイント経済圏が崩れることはありませんし、むしろ強固なポイント経済圏は他の経済圏からの資金流入が増えてより強力になっていくかもしれません。
なのでPontaをオンチェーンに乗せる取り組みは可能性があります。他の経済圏で獲得したトークンも、ユーティリティがあり価格が安定しているトークンにスワップしたいと考えるはずなので、Pontaトークン(仮)にスワップする人が増える可能性もあります。
とはいえ、個人的なweb3が実現する革新的なポイントは、この経済圏戦争をスタートアップ(時には個人)が仕掛けられるようになったことだと思っています。 トークンの発行や管理コストが激減したと同時に、相互運用性の実現によって、小さなスタートアップが発行したトークンでも他のトークンとスワップすることで最低限のユーティリティを確保できます。
よって、アイディアと戦略次第で強固なエコシステムを築き上げることが可能となります。 なので、最初は大手が見向きしないようなニッチだけど喜ばれるような領域で、関連プロダクトを次々と展開していき、その領域では圧倒的なエコシステムを築くことがよさそうと思っています。
自分でもツールを検討してる
そして、ここからは実体験ですが、最近ReFiプロジェクトの「グリーンダオ」の運営をシームレスにするために色々とツールをいじってます。
過去にリサーチしたプロジェクトも多く、Galxe、CharmeVerse、Unlockなど、多数のプロトコルを連携させることでなんかいい感じの繋がりを築こうと思ってます。
ただ、やってみて思いましたが、意外にシームレスに使いやすくツール同士を連携させることは難しいです。
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