【Courtyard】ポケカをNFT化して売買可能にするプラットフォーム / 急拡大するRWA市場の理想のユースケースとなるか
クレカ決済、簡易ウォレット作成、ガスレス決済が導入され、急拡大が見込まれます。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Courtyard」についてリサーチしました。
«目次»
1、Courtyard とは?
- 仕組み
- トークン化のメリット
- 経緯と展望
2、拡大するRWA市場とConnected Collectible NFT
Courtyard とは?
「Courtyard」は、トレーディングカードやスニーカー、時計など物理的な収集品を安全な金庫に保管し、NFT化(トークン化)して売買できるようにするプラットフォームです。
いわゆるRWA(リアルワールドアセット)のトークン化を行う領域で、特にトレーディングカードに注力して展開しています。スポーツカード、ポケカ等がトークン化され、NFTで売買できるようになります。これらはNFTなのでOpenSea等の外部マーケットプレイスでも売買できます。
■仕組み
○出品者
送付:自身の保有するコレクションをCourtyardの金庫へ送ります。
Courtyardは160年を超える歴史を持ち、世界100カ国以上にサービスを展開する、数兆ドル相当の資産を保護するBrink'sと提携しており、全ての収集品はBrink'sで安全に保管されます。
出品:コレクションを受け取った後は真贋証明と3Dファイルの作成が行われ、トークン化されてマーケットプレイスに出品されます。
売買:トークン化されたNFTが売買されます。NFTはバーンさせることでいつでもフィジカルな商品と交換可能ですが、バーンさせるまでは売買金額の1%が出品者に手数料として入り続けます。
○購入者
探索:マーケットプレイス内で気になる商品を探します。
購入:気に入った商品を購入します。購入にはETHやUSDTに加えてクレカ決済も可能です。ウォレット作成もワンタップで可能で、ガスレス決済となります。
売買 or バーン:収集したNFTを売却することもバーンしてフィジカルな商品を手元に届けることも可能です。
尚、購入者に手数料は発生しませんが、販売手数料として6%が発生します。現在はリリースキャンペーン中で2024年まではトークン化の手数料も無料です。
■トークン化のメリット
ブロックチェーンを活用してフィジカルな資産をトークン化するメリットは大きく4つあります。
検証と信頼:二次流通の市場では偽物が多く存在し、実際の手元に届く商品が偽物だったという詐欺が多く見られます。トークン化のプロセスで真贋証明を行うので、その心配がなくなり安心して購入できます。
流動性の向上:物理的な商品は売買のたびに商品を移動させる必要がありました。その際にリードタイムがかかりますし、国境を超えた取引の場合は大きな送料も発生します。トークン化であればそれらは関係なくリアルタイムで即時の売買が可能になります。
所有権の証明:これまでの物理的な商品は所有の証明が非常に困難でした。自宅に保有しその商品を見せることで所有権の証明は可能ですが、高額な商品ほど安全のために金庫に預け入れることも増えています。そうなると所有権の証明をすることができません。しかし、NFTであれば商品は安全な場所にありながら、その所有権をデジタルで完全に証明することが可能です。また、トークンゲートで限定されたコミュニティへ参加することも可能で、グローバルな所有者コミュニティへアクセスできるようになります。
融資等のDeFiへの接続:これから保有しているカードNFTを担保に融資を受けられるような機能を追加予定とのことです。このようにNFT化することによって、既存のDeFi市場への接続が容易となります。
■経緯と展望
Courtyardのチームにはコレクターが集まっており、その市場に精通しています。また、YCombinatorからの支援も受けています。
彼らはまず2022 年 3 月に、50 万ドル相当のトークン化および保管されたポケモンカードをリリースし、数時間で完売しました。その後すぐに、コレクターがカード コレクションを簡単にトークン化して保管できるようにするプロセスを開始し、毎週何百枚ものカードを受け取りました。
しかし、4,000億ドルと呼ばれるコレクター市場(ほとんどの場合、ウォレットの設定など気にしない熱心なコレクターでいっぱい)に真に乗り込むためには、それを次のレベルに引き上げる必要がありました。
そこで2023年8月にPolygonと提携を発表し、今までのイーサリアムチェーンからPolygonチェーンへの移行と共に、以下の3つを実現しました。
クレジット決済
ウォレットの即時作成
ガス料金の廃止
これによって、ウォレットもNFTも知らないコレクターも知らないうちにNFTで売買できるプラットフォームが誕生しました。
先述した通り、まずは世界的にも熱狂的なコレクターによって支えられているトレーディングカード市場から参入しますが、ここは氷山の一角でより大きな市場に参入していくとのことです。
また、自社サイトの裏側にCourtyardの仕組みを導入することも可能です。倉庫への保管からトークン化、ウォレットの即時作成やNFTによる売買を簡単に導入できます。
このSDKの仕組みも拡大が見込まれています。
拡大するRWA市場とConnected Collectible NFT
ここからはリサーチした感想を書きます。
Courtyardは自社で発行するRWAのNFTのことをConnected Collectible NFTと呼んでおり、これがそのままOpenSeaのRWAの引き換えNFTのカテゴリ名として採用されています。
OpenSeaでも引換券NFTはかなり注力しています。先日のロイヤリティフィーの自由化の際にも引換券NFTのような新しいユースケースの実現を目指すと書かれていました。
また、同じくRWAのトークン化サービスであるAmericanaもOpenSeaと提携しています。
そもそもコレクター市場が急速に拡大している中で、それをより良い体験として提供できるRWAのトークン化市場は非常に可能性があります。
個人的にもトークン化のメリットで書いた中で「所有権の証明」や「DeFiとの接続」などは新しい所有の形として浸透していくように感じます。
YouTuberなどの有名人がポケカを購入することでブームとなっていますが、やはり高額の商品を自宅に置いておくことはできないので、結局倉庫に保管するようになっています。
結局倉庫に保管するならそれをトークン化することで3Dファイルで常に視聴もできますし、自身の所有権を証明し続けることもできます。また、例えば世界に100枚しかないリザードンを保有している人限定のイベントに参加できたり、コミュニティに参加できるなど、トークンゲートの特典も発生するかもしれません。
このサービスはかなり流行りそうなので、国内でも大手カード業者がやれば大きな事業になると感じています。日本には秋葉原があり、世界からコレクターが集まる場所でもあるので、日本発のグローバルサービスとしてとても可能性がありそうです。(カード会社の方や関連会社の方でご興味ある方はぜひご連絡ください!トークン化の事業ぜひご一緒させてください!)
僕自身も普通にポケカや遊戯王などやっていた世代なので、ユーザーとしても楽しみなサービスでした。
以上、本日は「Courtyard」のリサーチをしました。
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免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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