おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は具体的なプロジェクトである「AMPL」と「SPOT」の解説を通して「フラットコイン」を解説します。
(あまりに長くなりすぎたので、前編後編の2本構成で、①前編が「AMPL」の解説、②後編が「SPOT」の解説にします)
尚、「AMPL」と「SPOT」は仕組みが複雑で金融知識が必要となります。0からでもその全体像を理解できるように具体例を交えながら解説しますが、詳細までを網羅しようとするとマジで意味わからなくなると思ったので、細かいロジックは省きます。この記事では全体像を理解していただき、詳細が気になった方は最後に記載するドキュメントをご覧ください。
それではいきます。
⚫️AMPLとは?
👀法定通貨担保型ステーブルコインの欠点とは?
🪙フラットコインとは?
💬次世代のお金だと感じる
⚫️AMPLとは?
「AMPL」は、2019年のCPI調整済みドルを基軸とする暗号資産です。主に計算単位および担保資産として使用されます。
CPIとは消費者物価指数のことで、CPI調整済みのドルとは、インフレーションの影響を考慮して調整された通貨の価値を指します。
簡単に言えば、CPI調整済みのドルは「実際に買えるものの量」を表現する方法です。これにより、異なる時期の金額を公平に比較できるようになります。
「AMPL」は2019年のCPI調整済みドルを軸にしています。
例えば:
2015年の100ドルが2019年のCPI調整済みで110ドルになるとすれば、2015年の100ドルは2019年の110ドルと同じ購買力を持っていたことになります。
逆に、2022年の120ドルが2019年のCPI調整済みで100ドルになるとすれば、2022年の120ドルは2019年の100ドルと同じ購買力だったことを示します。
これをどのように暗号資産で表現しているのかというと、需要に対して価格で反映されるのではなく、供給量で調整するモデルを取っています。
トークンの価格は需要と供給によって決定しますが、通常は需要>供給になることで1トークン辺りの価格が上昇し、需要<供給となると1トークン辺りの価格は減少します。
一方のAMPLは価格が固定されたままで供給量が変動します。
例えば、ビットコインは価格が3倍になるとそのまま1トークン辺りの価格が上昇します。一方のAMPLは需要過多で価格が上昇すると1AMPLの価格は変わらずに3AMPLになります。
つまり、AMPLトークン価格の変動(需要と供給の変動)に応じて、ユーザーのウォレット内のAMPLトークンの数が自動的に増減します。需要が増えると増加し、需要が減ると減少します。これによって、ネットワークの 1%を購入した場合、供給調整に関係なく、さらに購入または売却しない限り、常に 1%を所有することになります。
少し難しいですよね。
ややこしくしているのは「供給量でコントロールしている点」と「CPI調整済みドルを基軸にしている点」が混ざっているからだと思います。
個人の感覚では1点目の「供給量でコントロールしている点」は何となく理解できるのではないかと思っていますが、2点目の「CPI調整済みドルを基軸にする」がよくわからない人が多いように思います。
要は真のステーブルなトークンを作りたいというビジョンなのですが、”何を基軸にするか”によって出来上がるトークンの価値が左右されます。
現在のステーブルコインのほとんどは法定通貨を担保にしています。但し、AMPL制作チーム(Ampleforth)は、法定通貨にはそもそも欠点があり、それを担保にするステーブルコインにも欠点があると主張します。
👀法定通貨担保型ステーブルコインの欠点とは?
まず担保元である法定通貨の欠点から説明します。
それは「インフレしてしまう」点にあります。インフレとは通貨価値が下落することで、過剰に紙幣を印刷することで供給過剰になり、結果的に1紙幣辺りの価値が下落します。ここに需要が追いついてきている時代は良いのですが、人類の歴史上、インフレから逃れられた通貨はありません。
Keep reading with a 7-day free trial
Subscribe to web3 Research JAPAN to keep reading this post and get 7 days of free access to the full post archives.