【Linea】Consensysが開発したzkEVM対応のイーサリアムL2ソリューション / 2023年7月にメインネット公開
「Linea(リネア)」は、MetaMask開発会社のコンセンシス(Consensys)が開発したzkEVM対応のイーサリアムL2ソリューションです。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Linea」についてリサーチしました。
«目次»
1、Linea とは?
- zkEVMとは?
- Consensys zkEVMからLineaへ
- 特徴
- 展望
2、ハードの設計でソフトは浸透する
Linea とは?
「Linea(リネア)」は、MetaMask開発会社のコンセンシス(Consensys)が開発したzkEVM対応のイーサリアムL2ソリューションです。
カタカタが多くて難しく聞こえますが、要するにイーサリアムのスケーリング問題を解決するL2ソリューションです。
他のL2ソリューションとの違いは「zkEVM対応」している点にありますが、そもそもzkEVMってなに?というところから解説します。
■zkEVMとは?
zkEVMはゼロ知識証明(ZKP)とEthereum Virtual Machine(EVM) という2つの単語を組み合わせたものです。
ZKPは”ある人が他の人に、自分の持っている命題が真であることを伝えるのに、真であること以外の何の知識も伝えることなく証明できる手法”のことを意味し、分散性とプライバシーの両立を実現する画期的な技術として知られています。
↓詳しくはこちらの記事をご確認ください。
そしてEVMはEthereumブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行するソフトウェア環境のことを言います。この環境で記されたスマコンが動きます。
そして、少し話は別の観点になりますが、ブロックチェーンはトリレンマと呼ばれる性質があります。これはスケーラビリティ、セキュリティ、分散化の3つの特性を同時に実現することが大切だが、どれか1つを大切にすると他が疎かになる可能性を持ち、3つ同時に実現することが難しいことを意味します。例えば完全に分散化させるとスケーラビリティを犠牲にし、セキュリティを重視すると分散化を犠牲にすることが多いです。
イーサリアムのL2ソリューションは主にスケーラビリティを解決しますが、そのソリューションも一部分散性やセキュリティを犠牲にしてしまっているソリューションも多いです。
ですが、zkEVMはそのどれも犠牲にすることなくスケーラビリティを実現する画期的な解決策として注目を集めています。
その詳細まで説明するとかなり複雑で長くなってしまうので、ここではめちゃくちゃ簡単にだけ解説します。
EVMはスマコン実行環境だと言いました。EVMで実行されることはすべてオンチェーンで行われますが、これはガス代がかかりスケーラビリティを毀損させます。しかし、取引をオフチェーンで実行するとオフチェーンの取引が正しいか否かを証明する必要があります。例えばここを誰かに正当性の証明を依存すると分散化を犠牲にすることになります。
そこで、ZKPの技術が採用されます。zk-Rollupも同じような考えですが、ZKPを活用すればオフチェーンの取引をトラストレスに正当性を証明できます。なので、zkEVMとは、スマコン実行環境の一部をオフチェーンに移行し、そのオフチェーン取引の正当性をZKPで証明することで分散性を犠牲にすることなくスケーラビリティを実現します。
また、秘匿したい取引をオフチェーンで実行できるのですべての取引が公開されることなくスケーラビリティを実現します。
この画期的な仕組みは非常に注目を集めており、有名どころだと「Polygon zkEVM」や「zkSync zkEVM」が存在します。
→ より詳細の解説はこちら「【完全保存版】zkEVMとは何か」をご覧ください。
■Consensys zkEVMからLineaへ
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