【N Suite】企業がweb3事業を行う際に複数人で秘密鍵管理できるNFT管理サービス
「N Suite」は、秘密鍵をクラウドで共有管理可能にするとともに、ワークフロー機能によって、管理者の承認に基づいて秘密鍵が使用される仕組みを提供します。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「N Suite」についてリサーチしました。
«目次»
1、N Suite とは?
- リリース背景
- 機能
- 展望
2、web3参入のインフラ周りが整いつつある
N Suite とは?
「N Suite」は、企業がweb3事業を行う際に複数人で秘密鍵管理できるNFT管理サービスです。doublejump.tokyoが開発し、2022年1月にリリースされました。
■リリース背景
「N Suite」はweb3へ参入する企業が増えてくる中で、秘密鍵の管理問題を解決します。暗号資産の送金、NFTの発行、スマートコントラクトのデプロイなど、web3で事業を行う以上、必ずこれらの操作が必要になります。
しかし、これらの操作の基点となるウォレットの秘密鍵を組織単位で共有することは、全員が全ての操作ができてしまいますし、情報が流出する可能性も上がります。よって、非常にリスクが高い状況で事業運営をすることになります。
これらを解決するのが「N Suite」です。
「N Suite」は、秘密鍵をクラウドで共有管理可能にするとともに、ワークフロー機能によって、管理者の承認に基づいて秘密鍵が使用される仕組みを提供します。
これによって、NFTの発行などに必要なブロックチェーンの秘密鍵を、企業が安全かつ効率的に管理することができます。
■機能
大きく3つの機能が存在します。
N Wallet:秘密鍵を管理しない署名用のウォレット
N Board:秘密鍵を共同管理するためのワークフロー機能を提供するダッシュボード
N Cloud Key:クラウドでセキュアに秘密鍵を保管するシステム
これらの仕組みによって、秘密鍵の共有管理で作業の属人化を解消するとともに、セキュリティの向上に寄与します。
■展望
リリース以降、すでにさまざまな企業が導入をしています。
そして、対応チェーンの強化やミント機能の強化など、アップデートが繰り返しされており、今後も企業のweb3参入時のインフラ的なSaaSとなっていくことが予想されています。
web3参入のインフラ周りが整いつつある
ここからはリサーチした感想を書きます。
最近は色々な企業さんからお問い合わせがあり、web3参入についてお手伝いさせていただく機会が増えてきたのですが、社内ルールやセキュリティ面などで足踏みしている企業は多いです。
個人や少人数のスタートアップとは異なり、何かをミスった時に受けるダメージが大きいので、リスクの高いことに簡単にチャレンジはできません。
web3はその税制やセキュリティにおいてリスクが大きい部分が何箇所も存在するので、興味は持っていても参入がしづらい領域と言えます。
例えば、大企業でウォレットを作るのに数ヶ月かかるみたいな話も聞いたことがありますが、大企業側のスタンスに立ってみればそれも仕方ないと感じ、いかに企業側の不安を払拭していくかが非常に大切だと思うようになりました。
そういう意味で、NFTが簡単にミントできるとか、マーケティングができるとか、そういう方面だけでなく、「N Suite」のような秘密鍵の管理や、税務系のサービスなど、守りに特化したサービスは必要不可欠です。
きっとweb3のマスアダプションは、これらの守り系のプロダクトも整い、ある程度の参入フローが確立し始めた後に幾つかの圧倒的な成功事例が生まれることで進んでいくのだと思います。
「N Suite」も機会があればぜひ使ってみたいなと思いました!
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