おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「レコチョクNFTチケット」についてリサーチしました。
«目次»
1、レコチョクNFTチケット とは?
- 特徴
- レコチョクのweb3戦略
2、所有の証明 > クリエイティブ?
レコチョクNFTチケット とは?
「レコチョクNFTチケット」は、音楽に関する様々なサービスを提供するレコチョクがリリースしたNFTチケットツールです。
フェスやライブなど音楽イベントのチケットをNFT化することで、参加証明、所有者限定体験(トークンゲート)、二次流通での譲渡や売買が可能となります。
■特徴
その最大の特徴はダイナミックNFTを採用しており、入場時に利用するQRコードの認証後にQR部分の画像の変更が可能になります。
この仕様により、来場証明がより魅力的になり、さらにゲーム性を持たせることも可能です。当たりチケットなどを設定したプレゼント企画、チケット購入後・終演後にイベント主催者やアーティストがメッセージ・動画・最新情報を送付するなど、NFTチケット所有者限定の特別な体験を提供することで、ファンとのコミュニケーション強化に活用することができます。(プレスリリース より)
この仕組みは実際に来場するインセンティブをもたらすことができますし、変化するクリエイティブに差がある場合はライブ終了後のNFTチケットにも価値を持たせることが可能になります。
■レコチョクのweb3戦略
実はレコチョクは2022年1月にweb3への参入を発表しており、独自の取り組みを数多くしてきました。
例えば、今回のレコチョクNFTチケットはチケットの発券・販売・入場管理・体験までを全てレコチョク運営サービスにて実施可能です。
murketというアーティストがデジタルグッズを販売できるECサイトに、NFTの販売機能も追加されており、そこからNFTチケットの販売が可能です。そして、NFT専用プレイヤーのmuplaもリリースしているため、購入や受け取ったデジタルグッズやNFTでの音源はそこで再生や閲覧が可能です。
また、レコチョク×web3の専用サイトや専用Twitterも存在しており、かなり力を入れていることが見て取れます。
チケットをはじめ、音楽業界とNFTはかなり相性がよく、マスに広がるきっかけとなると感じているので、今後の発展が非常に楽しみです。
所有の証明 > クリエイティブ?
NFTの議論の際に、どこまでオンチェーンに載せるのかという話になります。その多くは「画像データ(クリエイティブ)」をオンチェーンに刻んでいるか否かの議論です。
僕も最初は、”NFTなんだから全てオンチェーンに刻んだ方が改竄できなくていいよね!”みたいな意見を持っていたのですが、NFTを勉強するにつれてその考えは少し変わってきました。
フルオンチェーンのNFTがダメなわけではなくそれは一つの在り方として最高なのですが、全てが全てそうならなくても良いなという感じです。
例えば、Checks VVにおいて、オマージュ作品に画像のメタデータに寄せたことも話題になりました。ファウンダーの気まぐれで、NFTのクリエイティブが変更されてしまうんです。
ダイナミックNFTはその最たる例で、そもそもメタデータが更新されていくことが前提となっているNFTです。その更新されていくメタデータすらも全てオンチェーンに刻んで、変更要因もスマコンで刻んでおけばフルオンチェーンのダイネミックNFTを構築することも可能ですが、実はそこが本質的な価値ではないのかもしれません。
個人的に、NFTは所有の証明であって、そのメタデータ(クリエイティブ)はプラスアルファの要素と考えると意外にしっくりきました。
アプリに近いかもしれません。
DLでも購入でも良いですが、スマホでアプリをDLすると自身のスマホにそのアプリが入ります。ただこのアプリ、アップデートされていきますよね。アイコンも変わるし中身のシステムも変更され続けます。でも決して、自身のスマホから強制アンダウンロードすることはできません。
もちろん、アプリの場合は完全な所有とは言えないし、サービス終了でアプリ自体がなくなることもありますが、理解のイメージとしてはこれに近いかもしれません。
NFTを保有することはアプリのDLに近くて、メタデータを含めたユーティリティの追加やコミュニティの活性化施策などはアップデート要素です。変化し続け、アプリの価値を向上させ続ける要素です。
そう考えると、今まで捉えていたNFTの在り方が少し変わり、より自由にNFTの価値を作り出していける気がしています。
まだ少し自分の中でも整理しきれていませんが、レコチョクのダイナミックNFTの事例を見て、この使い方すごい良いなと感じ、色々と思ったことを書いてみました。
以上、レコチョクNFTチケットのリサーチでした!
«参考リンク»
・HP:https://recochoku-nft-ticket.studio.site/#top
・プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001542.000002747.html
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
■運営者
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