おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日はREVOXの日本BDであるmorokitchさんへのインタビュー記事となります。
実はREVOXから日本のメディアパートナーとしてお声がけいただき、協力関係を結ぶことになりました。REVOXのプロダクトが僕個人のリサーチャーとしての活動と非常に親和性が高く、構想も面白いと感じたので応援させていただきました。よって、今回の記事をきっかけに数ヶ月に一度、応援記事としてニュースレターに掲載していく予定ですが、告知だけの記事を書くつもりはなく、あくまで読み物として勉強になり、ユースケースとして面白いなと思ってもらえるようなコンテンツとして更新していくので、ぜひ楽しみにお待ちください!
というわけで、本題に入ります。今回のインタビューでは、REVOXプロダクト群の概要、リブランディングの理由と変遷、現在開催中のエアドロッププログラムの詳細などをお伺いしました。最後にREVOXファウンダーのNeoさんからのコメントもいただきましたので、ぜひ最後までご覧ください!
-REVOXの概要ついて教えてください。
REVOXは、ブロックチェーンとAIを組み合わせたプロダクトを構築するプロジェクトです。現在は4つのプロダクトを抱えており、今後AIを使ったDappsを作るプラットフォームとして活動していきます。
元々は「ReadON DAO」のという名前で、読んで稼げるコンテンツプラットフォームとして活動していましたが、AIにフォーカスするに当たりプロジェクト全体がリブランディングされ、「REVOX」という名前になりました。
-AIにフォーカスするようになった理由を教えてください。
REVOXはNeoとTroyの2人のファウンダーによって立ち上げられました。 Neoは2012年からクリプトに触れていた連続起業家で、STEPNの大成功を目の当たりにし、一般的に良いと考えられている行為とトークンインセンティブを結びつけることで人々の行動変容を促せる可能性に気づき、良質なニュースを読む習慣とトークンインセンティブを組み合わせることを考えました。
もう1人のTroyはカーネギーメロン大学でAIや自然言語学を専攻していた技術者で、TikTokやPinterestで広告配信のアルゴリズムを研究し、プロダクトリードを担当していました。 2人はWeb2版の読んで稼げるプラットフォームである今日頭条で働いていましたが、Web2での成功体験をWeb3領域に展開するためにReadONを立ち上げました。
ReadONは、当初、Read and Earnを実現するプロダクトとして開発が進められましたが、Troyが集めた開発チームには元Googleのエンジニアなど優秀な人材が多く、リッチな機能が次々に取り入れられました。
例えば、AIの自然言語処理能力を使って、全てのニュース記事の冒頭に記事の要約文を表示したり、記事の最後に理解度チェックのクイズを実装したりと、コンテンツ配信アプリであるReadONにAI機能が統合されていったのです。
このように、AIインテグレーションの成功体験を重ねてきた結果、AI×web3領域でもっとできることがあると感じ、REVOXという名前にリブランディングすることになりました。REVOXは、コンテンツ領域に軸足を置きつつ、AI×web3領域で先進的な製品を展開しています。
-現在のプロダクト群について教えてください。
現在、REVOXには4つのプロダクトが存在します。1つ1つ説明させていただきます。
①ReadON DAO
1つ目が以前から運営している「ReadON DAO」です。Read and Earnのプロダクトであり、コンテンツを読むことでポイントが貯まっていきます。ナイジェリア、パキスタンなどの新興国ではGoogle Planアプリランキングで1位になるなど、世界中のユーザーに利用してもらっています。
先日、UAWが70万人を突破するなど、非常に多くのユーザーに利用していただいています。
こちらのプロダクトはご存じの方も多いと思いますので、特にリブランディング後にリリースした以下3つのプロダクトについて詳しく説明させていただきます。
②ShareON
「ShareON」はTelegramのミニアプリです。使用は単純で、主にWeb2系の多くの領域が読めるようになっています。
ユーザーは様々な記事を読むことができ、まだ読んでいない記事を読むとReadON DAOのtReadと呼ばれるトークンを獲得できます。記事をクリックして読むだけで、一日最大5回までtReadを獲得可能であり、「今すぐ共有」ボタンを押すことで、他のユーザーに記事を読んでもらうことで追加のインセンティブが得られます。
正直、日本国内ではあまりメリットが出しにくい状況ですが、ShareONを作った意義としては、インターネットメディアが未発達の国々で広く使われていることが挙げられます。例えば、中東のある地域では、彼らがインターネットを使う際は、無料で音楽をダウンロードしたりTikTokにアクセスするなど、主にエンターテインメントにアクセスするためだけに使用していることがわかりました。ShareONを提供したところ、非常に便利だと好意的なリアクションをいただきました。
実際に中東のユーザーから手紙も届いており、そのような内容に言及し、その可能性に感謝されました。
このことから、インターネットがまだ十分に活用されていない地域において、Web2ニュースをキュレーションして伝えるだけでも価値があることがわかりました。
ReadON DAOは世界中で設定した言語で記事を読むことができますが、ShareONは地域にローカライズされた記事のみが読めるようになっています。
③CONTENT HUB
「CONTENT HUB」は、ReadON DAOアプリと密接に連携しているアプリで、ユーザーが好きな記事をキュレーションできるようになっています。
毎週、その週の人気記事がピックアップされます。ReadON DAOの方ではいいねやブックマーク数などに応じて人気度が評価されていますが、こちらはCurateボタンが何回押されたのかで人気がつけられています。
ReadON DAOでは、コインテレグラフ等の数十社から記事を収集していますが、リリース当初はユーザー主導では自動でコンテンツをインデックスすることができませんでした。ReadON DAOのコンテンツデータベースへのアクセスが限定的であることは、分散型とは言い難いため、より分散的にweb3ユーザー誰もがコンテンツをインデックスさせる仕組みを作ろうという思想でCONTENT HUBが立ち上がりました。
理想としては、キュレーションが完了した時点でReadON DAOのコンテンツシステムにインデックスされるべきですが、以前の実装では関係ないリンクを入れるイタズラなどがあったため、現在はプールされたリンクの中で問題なさそうなものを運営がチェックしてからReadON DAOに取り込むようになっています。将来的には、AIによる評価を導入し、ユーザー全員が自由にweb3コンテンツをインデックスできるようにしたいと考えています。
ユーザーが投稿したものはヒストリーに表示され、weeklyはタイムライン兼ランキングとして機能しています。インセンティブとして、上位55位に入った記事の投稿者にはReadON DAOテストネットトークンが配布され、TGEのタイミングでエアドロップされる予定です。
④REVOX LENSE
「REVOX LENSE」は最もフォーカスを当てたい部分です。
このプロダクトは、ウォレットコネクトで利用でき、自分が持っているETHやOKBなどが保有資産額が多い順に、ティッカーデータベースに基づいて並べられます。その上でアナライズボタンを押すと、そのトークンの情報が自動で表示されます。
この機能を使用するにはデイリークレジットが必要となりますが、ユーザーは1日に20のデイリークレジットを獲得できます。1つのアナライズリクエストを出すのに4クレジットを消費するので、1日に5回のアナライズが可能です。
TGEまでは、クレジットを取得するとポイントが貰えるようになっており、他にも累積ログインやアチーブメントによって獲得できます。
例えば、ビットコインをアナライズしてみると、5月のインサイトやニュース、直近の動き、ビットコインの基本情報、価格変動に関する情報がまとめられ、それぞれの情報に関するソースも提供されます。さらに、マインドマップによって分析結果が分かりやすく整理・可視化されています。
アナライズ後は、インタラクティブにチャットボット形式で質問ができ、日本語での質問にも対応しています。回答は500~600字程度で提供され、わかりにくい質問の場合はREVOX側から追加の質問が来ます。現在はガス代のみで利用できますが、将来的には有料化される可能性もあります。
アナライズ結果は毎日アップデートされ、その時点でホットなトピックが取り上げられます。質問はいつでも可能ですが、アナライズをアンロックしていないトークンに関しては質問ができないため、1度以上のアナライズが必要となります。
「REVOX LENSE」はweb3領域における汎用AIとして機能します。
-REVOXの目指す将来構想について教えてください。
はい、REVOXホワイトペーパーから重要な部分を抜粋して紹介します。REVOXが目指すAIの活用方法は以下の3点です。
開発者がREVOXのプラットフォーム上でAIを使ってDappsを構築できるようにすること。
APIや開発者向けツールの提供によってオープンインテグレーションを実現し、サードパーティのデータやロジックを標準化・共有すること
インテントなどのわかりやすいツールを通じて、web3に接続するためのインターフェースを提供すること。
その根底にある背景は、オンチェーンでのAI推論が業界として未発達であることが理由です。現状、AI推論の過程は主にオフチェーンで行われており、分散型の思想から外れ、プラットフォーム側の悪意や脆弱性を排除できない状況にあります。
REVOXはオンチェーンでAI推論をする技術を確立し、APIなどの簡単な形で利用できるプロジェクトを目指しています。特に、スマートコントラクトなどの根幹を担う技術とAIの進化が交錯していない点に着目し、web3とAIのシナジーを強化していく方針です。
REVOXの構成要素として、プラグインが外部の情報(ReadONアプリのコンテンツデータを含む)を取得し、職能に特化した複数のプリミティブエージェントがそれらを学習します。これらのエージェントが組み合わさることで、様々な機能を実装します。
ChatGPTにweb3のことを聞いても頓珍漢な答えが返ってくることが多いですが、REVOXはweb3について学習させているため、最新のデータを継続的に学習し、トレーニングされたエージェントとなっています。ユーザーは、APIやスマートコントラクト、REVOXの製品インターフェースを通じて、プリミティブエージェントを複数使ったアウトプットにアクセスできます。例えば、オープンデータソースから取得したトークンの価格推移情報をレポーティングできます。
-マネタイズについてはどのように考えていますか。
幾つか考えています。
例えば、「REVOX LENSE」は現在は無料で提供されていますが、将来的には有料化される予定です。なので、ユーザーさんからの利用料が収益源の一つとなります。
また、APIを提供し、AIを利用したDappsの開発を容易にすることで、toB向けの収益源も確保していきます。
最後に、AIサービスの展開には多大な計算力が必要となるため、REVOXは外部の計算リソースを提供できる人々に、リクエストが来ているトランザクションの実行可否を計算してもらう仕組みを検討しています。
これは、PoSと似たような形で、REVOXがオンチェーン計算のために外部の計算力を利用するものです。計算リソースを提供する人々は、一定のトークンをステーキングする必要があり、不正行為に対してはスラッシングリスクもあります。この不正を摘発するために、zkMLやopMLなどの技術研究もREVOXが行っており、最終的にはこれらの技術を用いて外部の計算リソース提供者の検証が容易にできるようになる予定です。
-REVOXはプラットフォームのイメージでしょうか。
そうですね、REVOX上でAIを使ったDappsやAIエージェントを組み合わせたアプリを簡単に作れるプラットフォームを目指しています。 自社製のコンテンツ配信に特化したチェーンに加え、マルチチェーン対応しているので、複数のチェーンに渡ってAI Dappsの開発ができるプラットフォームになります。
-現在、エアドロップのプログラム中と聞きました。
はい、本日紹介した全てのDappsを使うことでトークンエアドロップを受けるための早期貢献の証としてトークンを受け取ることができます。
それぞれのプロダクトで貰えるポイントやトークンの名称が異なっているのですが、発行されるトークンは1つだけですので、好みやケイパビリティに応じて使ってもらえたらと思います!
-トークン発行はいつ頃の予定でしょうか。
2024年4Qとかの予定なので、年内を予定しています。それまではこのプログラムがずっと開催される予定です。状況に応じて、アップデートされたり、新しいプロダクトが増えるかもしれませんが、基本的には同じように続いていく予定です。
-最後に改めてお知らせをお願いします。
はい、本日はありがとうございました。
年内にエアドロップがあるので、ぜひ色々とプロダクトを触っていただければと思います。どれもありがたいですが、できればCONTENT HUBやREVOX LENSのようなweb3ネイティブなものを積極的に触っていただけたら嬉しいなと思います。
英語が苦手だったり、ブリッジなど基本的な操作がわからない人に対しても日本人向けのサポートも丁寧にしていて、LINEのオープンチャットもしていますので、何かわからないことがある方はなんでも気軽にお聞きください!
🟢LINEのオープンチャットの参加こちら
あとは、日本人は英語が読めない人も多いので、色々なプロジェクトでも情報に時差がありますが、REVOXは僕が日本BDとして、日本人向けに活動していますので、安心していただければと思います。言語の壁ゆえの情報収集の不利益がないように全力を尽くしています。
-REVOX ファウンダー”Neo”さんから、この記事の為にコメントをいただきました!
(日本語訳)
今日のグローバル市場では、言語や文化の壁、中央集権的な情報チャンネルの検閲、過剰なエンターテインメントコンテンツによる注意散漫など、広範な情報格差が続いています。日本のような先進国でも、最新技術やグローバル市場の機会に関する最新情報は、しばしばタイムリーさやアクセス可能なチャンネルに欠けています。この問題は発展途上国ではさらに顕著であり、そこでは、ユーザーがせっかくインターネットの世界に飛び込んだのに、(高品質なコンテンツに興味を示さず)、無料の音楽をダウンロードしたり、Instagramで有名人をフォローしたりするためにそれを使用している。
AIとWeb 3技術は急速に進化しており、これらの技術の進歩により、ユーザーが情報にアクセスする新しい方法が提供され、情報取得の効率と品質が大幅に向上すると信じています。これにより、膨大な社会的価値が生まれる可能性があります。AIはユーザーの第二の脳として機能し、Web3技術はこの脳が自由に動作することを保証します。当社の製品は、情報の公平性を向上させ、情報にアクセスする革新的な方法を創造することに専念しています。
私たちは、人口2,000万人を超えるナイジェリア最大の都市であるラゴス、ジャカルタ、東京、ニューヨークの人々が、最新のグローバルな変化、思考、創造、議論を共有できる日を想像しています。これにより、個人が自由に選択し、貴重な人生の目標に取り組むことができるようになります。
(原文)
In today's global market, widespread information inequality persists, stemming from inherent language and cultural barriers, centralized information channels' censorship, and the distraction of attention due to an excess of entertainment content. Even in developed countries like Japan, updates on the latest technology and global market opportunities often lack timeliness or accessible channels. This issue is even more pronounced in less developed countries, where users have leapt into the internet age, only to use it for downloading free music and following celebrities on Instagram.AI and Web3 technologies are rapidly evolving, and we believe the advancement of these technologies will provide users with novel ways to access information, significantly enhancing the efficiency and quality of information acquisition. This has the potential to create immense societal value. AI will serve as a second brain for users, while Web3 technology will ensure this brain operates freely. Our products are dedicated to improving information equity, creating innovative ways to access information.
We envision a day when people in Lagos (Nigeria's largest city with a population exceeding 20 million), Jakarta, Tokyo, and New York can all share in the latest global changes, thoughts, creations, and discussions. This will empower individuals to freely choose and engage in valuable life goals.
以上、REVOXに関するインタビュー記事でした!
最後に少しだけインタビューした感想を書きます。
また、今の市場でGameFiではなくUAWで70万人を超えるweb3のプロダクトはそう多くありません。もちろんエアドロップ期間というブーストはあると思いますが、それ以前からグローバルで利用され、ナイジェリア等の新興国でもユーザーのニーズに刺さった使われ方をしていることは理想的なプラットフォームとしての伸び方だと感じました。
REVOXは新しくエアドロップの為に何か行動をするというよりも、普段のニュースの情報収集やリサーチに関する分析をREVOXのプロダクト群に置き換えることで日常使いできるプロダクトだと思います。
僕自身もリサーチャーとしての活動と親和性があるので、色々触りながら応援していこうと思います!興味がある方は良ければぜひ使ってみてください!
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
✨有料購読プラン
「web3 Research JAPAN」は月額約1,200円(月額8ドル/年額80ドル)にて有料購読プランを提供しています。購読いただくことで、「毎週のマーケット情報と主要ニュース」「最新トレンド」「注目プロジェクト」などのリサーチ記事が毎朝届きます。
書籍1冊分の値段以下で、週10本・月40本の新着記事と過去800記事のアーカイブ記事を全てご覧いただけます。
7日間の無料トライアル中に解約すると一切お金がかかりませんので、ぜひ一度お試しください。有料購読後もどのタイミングでも解約可能です。
About us:🇯🇵🇺🇸🇰🇷🇨🇳🇪🇸の5ヶ国語で展開されるweb3ニュースレターの日本語版。「1日5分でweb3をより深く学ぶ」をコンセプトに、web3の注目トレンドやプロジェクトの解説、最新ニュース紹介などのリサーチ記事を毎日配信しています。
Author:mitsui @web3リサーチャー
「web3 Research」を運営し、web3リサーチャーとして活動。
Contact:法人向けのリサーチコンテンツの納品や共同制作、リサーチ力を武器にしたweb3コンサルティングや研修なども受付中です。詳しくは以下の窓口よりお気軽にお問い合わせください。(📩 X / HP)