【Sui完全レビュー(後編)】トークノミクス / ストレージファンド / エコシステム / トークノミクスに関する疑惑と批判 / 課題と潜在的リスク / SuiPlay0X1 / 競争優位性 / 総括 / @SuiNetwork
いよいよ最後の1本。Suiの全てをぜひ!
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
本日はくりぷとくりぷとさんによる寄稿記事です。「Sui完全レビュー」と題して、2024年9月時点のSuiの全てを網羅する解説ですが、いよいよ最後の記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
11.トークノミクス
12.ストレージファンドのデフレーショナリー効果
13.エコシステム(オンチェーンデータや各セクターの状況)
14. Suiのトークノミクスに関する疑惑と批判
15.Suiの課題と潜在的リスク
16.SuiPlay0X1のリリース
17.Suiの競争優位性はどこにあるか?
18.まとめ
11.トークノミクス
Suiのネイティブトークン「SUI」のトークノミクスについて解説します。SUIはネットワークエコシステムへの参加を奨励するために設計されており、そのトークノミクスは、独自のアプローチを採用しています。以下では、SUIトークノミクスについて詳細に解説します。
SUIは、ネットワークの運用セキュリティの核となる要素です。SUIトークンの総発行量は100億SUIと決まっています。供給スケジュールはメインネットローンチ直後にSui財団から公表されており、毎月そのスケジュールに沿ってトークンがアンロックされていきます。
現時点では2030年のスケジュールしか出ておらず、2030年4月時点でも50億SUIしか供給されないので、他のブロックチェーンと比べると比較的長期間をかけて緩やかにインフレーションすることがわかります。
SUIトークンのエアドロップはローンチした2023年から2024年8月現在まで在りません。それ以外の大きなイベントでいうと、2024年の5月に10億SUIほど一気にアンロックされて循環供給量が増えたことがありましたが、明らかな価格の影響は見られませんでした。
SUIのトークンのインフレ率についても言及しておきましょう。たまにSUIのトークンのインフレ懸念に関するコメントをSNS等で目にするので、実際のSUIのインフレ率を調べてみました。
これはToken Unlockを確認して、各レイヤー1がローンチから36ヶ月間のトークン供給スケジュールを比較したものですが、このように比較すると本当にSUIのインフレが懸念されるほどのものなのかよくわかると思います。相対的に見ても”普通”であり、他の主要なレイヤー1チェーンと比べても取り立てて心配するほどのインフレ率とは言えないでしょう。
そして、トークンアロケーション(最終的な割り当て)は以下です。
コミュニティリザーブ: 総供給の50%がコミュニティリザーブに割り当てられ、様々なコミュニティ活動やネットワーク成長のためのプログラムに使用されます。
初期貢献者: 開発初期の重要な貢献者には20%が割り当てられます。
投資家: 開発を支援した投資家には14%が配分されます。
Mysten Labs: Suiを開発したMysten Labsは10%を保持しており、研究開発や運営に資金を提供します。
コミュニティアクセスプログラムおよびアプリテスター: 新しいアプリケーションのテストやコミュニティの拡大を促進するために6%が割り当てられます。
SUIトークンのユースケースとしては、主にネットワークの基軸通貨的な使い道とステーキングになります。トークン保有者はSUIをステーキング、またはステーキングの委任をして、ネットワークのセキュリティとコンセンサスメカニズムに参加できます。
一般的には、コミュニティガバナンスとしてのユーティリティを持つプロジェクトも多いですが、Suiでは現状そのようなコミュニティガバナンスは存在せず、SUIトークンにもガバナンストークンとしての役割はありません。
12.ストレージファンドのデフレーショナリー効果
先に説明したSuiの「ストレージファンド」についてさらに詳しく解説します。ストレージファンドは、ブロックチェーンネットワークの持続可能性を高める革新的なトークノミクスです。このファンドは、ネットワークが長期にわたって安定して機能するために、増大するストレージ要件を効果的に管理するための仕組みを提供します。
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