【美しい村DAO】日本の地方自治体が全てDAO化する!?web3時代の地方創生の形とは。
「美しい村DAO」は、複数の地方自治体による連合DAOで関係人口の創出を目指すプロジェクトです。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「美しい村DAO」についてリサーチしました。
«目次»
1、美しい村DAO とは?
- 美しい村づくりプロジェクトとは?
- 仕組み
2、地方自治体の商圏がグローバルに広がる革命が起こる
美しい村DAO とは?
「美しい村DAO」は、複数の地方自治体による連合DAOで関係人口の創出を目指すプロジェクトです。デジタル村民証となるNFTや地方の魅力的なコンテンツを体験できる権利を含む環境系NFTが購入できるプラットフォームを作成します。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000513.000003955.html
兼ねてから存在していた「美しい村づくりプロジェクト」の活動に対して、GaiaxがDAOや新規事業立ち上げの知見を提供する形で共同して立ち上げたDAOとなります。
■美しい村づくりプロジェクトとは?
失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、最も美しい村としての自立を目指す運動として、NPO法人「日本で最も美しい村」連合が2005年に7つの町村からスタートしました。
今回の美しい村DAOは、そんなNPO法人「日本で最も美しい村」連合のオフィシャルサポーター有志で構成されるコンソーシアム「合同会社美しい村づくりプロジェクト」が運営に携わっています。
美しい村DAO設立の簡単な経緯としてはこちらになります。
元々存在していた「美しい村プロジェクト」にてDAOが検討される
2022年9月:「美しい村DAO準備室」の構想が発表され、そのDAOへの参加券販売も兼ねたクラウドファンディングが実施される。
2022年11月:Gaiaxとの協業が発表され、「美しい村DAO」構想が発表される。すでに鳥取県智頭町と静岡県松崎町が加盟。
■仕組み
2種類のNFTが存在し、それぞれの購入者がデジタル村民として美しい村DAOへ参加できます。デジタル村民はリアル村民と同じように村民向けサービスを受けられるなどの特典を受けることができます。
デジタル村民証NFT
環境系NFT(地方の魅力的なコンテンツを体験できる権利)
特徴は「環境系NFT」で、それぞれの地域の行政または美しい村DAOの参加者が”その地域の魅力を体験できる企画”をNFTとして販売することができます。
とはいえ、なんでも環境系NFTで販売できるのではなく、NFTの販売は美しい村DAOの承認が必要です。
関係性を整理するとこうなります。
美しい村DAO
デジタル村民証NFTと環境系NFTを販売するプラットフォームの構築、運営
環境系NFTの承認(ちゃんとしたコンテンツか、世界観を損なわないか)
DAOメンバー(NFTホルダーでデジタル村民)
リアル村民と同じような特典
環境系NFTの企画、提案、販売
行政
デジタル村民に対しての特典発行
環境系NFTの企画、提案、販売
※2022年12月時点ではNFTの販売はまだされておらず、NFT販売のプラットフォームを開発している状態です。
そして、この美しい村DAOの大きな特徴の一つは「複数の自治体による共同DAO」である点です。
現在は鳥取県智頭町と静岡県松崎町が加盟を発表していますが、2024年へ向けて30町村の加盟を目標にしています。地方創生×NFTで最も有名なのは山古志DAOだと思いますが、あれは稀有な例で、99.9%は自治体主導でNFTを絡めたDAOを設立し運営するのは至難の業です。また、NFT発行後の認知を獲得するのも難しいですが、連合を組み、共通のプラットフォームを活用することで、相互に協力することができます。
非常に面白い取り組みだと感じました!正式リリースが楽しみです!
地方自治体の商圏がグローバルに広がる革命が起こる
個人的に「デジタル村民」は非常に良い取り組みだと感じています。僕は長野県出身で、地元のために何かしたいという気持ちはずっとあります。ただ、現実的に地元に帰って仕事をすることは難しいので、遠くに住みながら応援したいと思っています。
そして、ここが地方創生の難しい点だと思いますが、僕は地元が東京のようにガンガン発展してほしいわけではありません。その土地ならではの景色や文化を守りつつ、独自の発展や維持をしてほしいなと願ってます。
その気持ちにマッチしそうなのが「デジタル村民」です。
遠くにいながら金銭的な支援もできるし、その土地の活動内容もDAOに公開されていたら意見も拡散への協力もできます。(「自覚・規範・矜持、つまり文化の根底たる心さえあれば、住む場所が異なろうとそれは日本人なのだ」と発言したコードギアスのルルーシュの言葉が身に染みます。)
ただ、上でも書いた通り、「地方の一自治体がNFTを発行しDAOを運営する」事は難しいです。だからこそ、美しい村DAOは徒党を組み、難しいNFTやDAOの技術面をプラットフォーム提供で助け、DAO運営も共通の美しい村DAOにすることで助け、認知拡大もみんなで出来ることで助けるというスーパーな解決策なので面白いと感じました。
地方の行政に受け入れられて、国民がNFTを理解するようになれば、日本全国の自治体で導入される規模になってもおかしくないと感じています。ふるさと納税も近い考えですが、NFTにすることで海外からの資金も獲得できるので、より市場規模と可能性は大きいように感じられます。
ECによって飲食店や各種ブランドショップの商圏が世界中に広がったように、今までリアルに住んでいる人しか対象にできなかった自治体の商圏が世界中に広がる瞬間が訪れようとしています。
これは結構な革命な気がします。ど田舎のリアル人口1,000人くらいの街がグローバルでお客さん(デジタル村民)集めて、リッチな自治体として運営できる可能性が起こり得るというわけです。
例えば、大自然の中に調和するような豪華な宿泊施設を建てまくってその宿泊券も兼ねたデジタル村民NFTを自治体として出せば、世界中の富豪の別荘として利用されるかもしれません。「1日1組、自治体を貸切で泊まれます」は世界一でかい宿泊地になりそう。あとは、アニメ村とか作って、完全にアニメテイストの村も人気でそう。
もちろん逆もまた然りで、海外の自治体が同じことをやり始めたら日本人のお金が海外に流れる可能性があります。なので、デジタル村民(NFTとDAO)が普通になった時代では、自治体もグローバルで戦う必要性が増してくるのかもしれません。
無料でその土地の伝統や文化を資産として活用でき、多少なりとも税金という元手がある状態で、デジタル村民としてグローバルからお客さんを獲得する戦いができる、この見方をすると、自治体の運営に優秀なビジネスマンが集まりそうな気がしますよね、、。これからは自治体運営が熱いかもしれません!
web3時代の地方創生、自治体運営の形が芽生え始めている瞬間を見れていることを幸運に思いながら、自分も何か地元に貢献できることをしていきたいなと感じました!
■参考/画像引用先
美しい村DAO
・プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000513.000003955.html
・合同会社美しい村づくりプロジェクト:https://www.visit.utsukushii-mura.jp/
(※リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。)
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mitsui @web3リサーチャー
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